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辞書に於ける差別用語の使用

皆様、大変ご無沙汰しております。ほぼ2ヶ月振りに新規記事を投稿せず、申し訳ありませんでした。

さて、今回は俺が常日頃から便りにしているオンライン国語辞書(http://dictionary.goo.ne.jp)に於ける、差別用語の「ガイジン」の見出しに関する事件についてお話ししたいと思います。若し御存知ではなければ、dictionary.goo.ne.jpと言うのは、俺が知っている限りでは、簡単に言うと最良のオンライン国語辞書なのであります。エントリーの数が多いし、現代語だけではなく古語も載っているし、その上に単語の異形読み方や語尾等さえ含まれているので、俺は絶対にお勧めします。

とはいえ、実際に優るか最善のリトマス試験紙となるのは、どのように差別用語を扱っていると言う事ですね。特に我が国の様な資本主義の社会では消費者が自分の行為で商品の得失を決めるので、俺は出来るだけ、偏見等を抱いている会社を撥ね付けながら肯定的で進歩的な価値観を進めている会社を支えたいと思います。それに辞書の出版社は例外ではありませんね。更に、我々少数者が闘っているのは、銃や刀で勝つ戦闘ではなく、言葉が主な武器となるのです。従って、言葉はどんな風に使われているかによって、結果が大いに左右されるにちがいありません。なので、差別と言う強敵と闘う以上は、人々が言葉を正確に採用している様に釘をさすべきでしょう。

さて、言葉の使い方の争いなのであれば、結局辞書を取り出す人も少なくないでしょう。そうして、実際に見て見れば、残念ながら「ガイジン」を「外国人」と定義している辞書が殆どなのです。当然、こんな立場から「人をガイジンと呼んじゃダメだよ」とどのくらい主張しても、辞書さえ味方にならない限り、議論に勝つ見込みは滅多にないのですね。故に、我々少数者は声を上げ、辞書の出版社が「ガイジン」等の様な差別用語を正しく定義する様に要求すべきです。と言う事を念頭に置いた上で、俺は2月の下旬頃、愛読のdictionary.goo.ne.jpで種々の差別用語を調べて見ました。

先ず、和人に対する差別用語の「ジャップ」から始めました。

英語で、日本人を卑しめていう語。


まあ、確かにその様な意味でしょう。和人の中で人種差別主義や自民族中心主義が普及しているからと言って、和人に差別用語を投げ掛けても良いと言う訳は勿論、ありませんので、「ジャップ」をしっかりと差別用語として認めて、その言葉の使用を止めましょうね。では、次に行きましょう。

次は、「クロンボウ」を調べて見ました。

1 日に焼けたりして皮膚の色の黒い人。

2 黒色人種を軽蔑 (けいべつ) していった語。

3 歌舞伎の黒衣 (くろご) 。


ほら、可笑しくない?1つ目の定義はないでしょう。最早、差が出ていますね。和人に対する差別用語は、はっきりと差別用語として扱われていますが、非和人に対する差別用語に於いては、突然にあいまいな態度が現れます。この調査を続けましょう。

次は、最近大阪府警の機動隊員が沖縄の抗議者に吐き出した「ドジン」を調べて見ました。

1 その土地で生まれ育った人。土着の人。土地の人。

2 未開地域の原始的な生活をしている住民を侮蔑していった語。


正に、もうパターンが見えて来ていますね。非和人に対する差別用語ならば、まるで「使っても良い」場合もあるかの様な態度を取っていますね。それならば、「ガイジン」はいかがでしたか。

外国人。特に、欧米人をいう。


これは許し難いでしょう。俺は出版社の小学館に連絡することにしました。

問い合わせたい商品名・サイト名など:
デジタル大辞泉

お問い合わせ内容:


dictionary.goo.ne.jpに搭載されている小学館の提供している「デジタル大辞泉」の利用者の(僕)と申します。デジタル大辞泉に載ってある言葉に関するお問い合わせですが、 「ジャップ」という言葉を調べてみたら、下記の結果が返ってきます。

「英語で、日本人を卑しめていう語。」

しかし、それに対して、「ガイジン」という言葉を調べてみたら、

「外国人。特に、欧米人をいう。」

として載ってあります。

「ガイジン」というのは、「ジャップ」と同様に、差別用語なので、見出しにはどうしてその言葉が悪くないかのように載ってありますか。「ジャップ」という言葉に含まれている悪意を認めていますので、どうして「ガイジン」は無罪の言葉であるかのように意味を説明していますか。あまりにも矛盾なので、私の理解を助けて頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。

お返事をお待ち申し上げております。


小学館からのご返答を2月20日にて頂きました。下に載せます。

(僕) 様

小学館カスタマーサポートでございます。
お問合せありがとうございます。

ご連絡の内容に関しまして
担当部署に確認を取りましたところ、
下記の回答をお預かりしました。

===================
平素は小社出版物につきまして
格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。

お問合せの件について、ご案内申し上げます。

【Jap】は英語で、侮蔑的に使われる言葉です。
侮蔑する意味以外では使われません。

『大辞泉』には【ジャップ(Jap)】と同様の言葉として
【シアオリーベン(小日本)】《中国語》日本人に対する蔑称。
が掲載されています。
このように、はっきりと「蔑称」といえるものでない限り、解説中で
「蔑称」と説明することはありません。

一方、【外人】は、大辞泉にある「外国人。特に、欧米人をいう。」という
意味が一般的です。この意味には、侮蔑的なニュアンスはありません。
しかし、【ガイジン】のように、カタカナで表記された場合には、その文章の
記述者が何らかの意図をもってカタカナを使ったと判断されます。
その意図が「侮蔑のニュアンス」であることもあるでしょう。

ただ、どういうニュアンスと捉えるかは受け手によって違います。
この点が曖昧であるために、また、カタカナ表記という特殊性が
あるために、大辞泉のような国語辞典で、言葉のニュアンスを逐一
説明することはありません。
(このあたりが国語辞典の限界だとも言えます。)
100パーセント侮蔑の意味で使われるなら、「ジャップ」と同じような
扱いになるでしょう。

また、日本語の中で、【ガイジン】と同様の例は他にもあります。
例えば、【先生】。
【センセイ】【センセ】とカタカナで書いて、相手を小馬鹿にする使い方が
あります。
他には【社長】。
【シャチョー】のように書けば、相手を馬鹿にしているニュアンスが
醸し出されます。
大辞泉では、「外人」と同じ理由で、これらの意味や用法を記述して
おりません。

以上、よろしくお願いいたします。

この度は、お問合せ誠にありがとうございました。
===================

以上でございます。
上記、ご確認いただけましたら幸いに存じます。

日頃のご愛読に心より感謝を申し上げますと共に、
今後とも弊社刊行物をどうぞよろしくお願いいたします。

*******************************
    小学館カスタマーサポート担当
E-mail : info@shogakukan.co.jp
営業時間:平日9時30分~17時30分
     (12時~13時除く)
*******************************


以上を要するに、「『ガイジン』を使っても良い場合もあるよ」と、小学館は主張しています。当然、俺はそれを鵜呑みにするつもりは一切なかったので、翌日もう一件のメールを送り返しました。

小学館カスタマーサポート担当者様

早速のご返答、ありがとうございます。確かに承りました。


元来どうして【ガイジン】という差別用語は蔑称として載ってないと、お問い合わせしました。

ご返答の内容をご拝読している限りでは、その答えとして、「【外人】…には、侮蔑的なニュアンスはありません」とのことしかありません。

片仮名の表記についてのご主張は分かります。但し、もしそのご主張が正確なのであれば、上記の「侮蔑的なニュアンスはない」という主張も正しいことを前提とする限りです。

即ち、本来【先生】や【社長】等のような言葉には侮蔑的なニュアンスは確かに含まれていません。わざとそれらを片仮名の表記にすれば馬鹿にした意味を表すことが出来ますが、元々そんな意味はありませんでしたでしょう。

一方、貴社がちゃんと「デジタル大辞泉」に載っているように、【外人】というのは、本来「仲間以外の人」「他人」「第三者」等、「住んでいる国の国籍を持っていない人」を指して言う言葉の【外国人】と関係のない意味をします。

「広辞苑」にもこの意味が掲載されています。

“がいじん【外人】① 仲間以外の人。疎遠の人。連理秘抄「外人など上手多からむ座にては」② 敵視すべきな人。平家一「外人もなき所に兵具をととのへ」” (新村出、岩波書店 1998、ISBN 9784000801119 [4000801112])

上記が【外人】の本当の意味です。それで、元々「仲間以外の人」「第三者」等を意味した言葉を 転じて「外国人」や「欧米人」を指すように使うとすれば、「国籍が違うからこそ仲間外れ」や「欧米人だからこそ我々と関係のない人」等、人種や国籍に基づいた除外的なことを主張していることになるのではないでしょうか。

又、別の角度から考慮しますが、もし言葉の本来の意味を問わず、上記の意図を込めて使っている方は居ないと議論するとすれば、何の根拠に基づいてそれを主張しますか。しかも、言葉を言っている人の意図やつもりを問わず、【ガイジン】と呼ばれたい人は居ないのが事実です。

そうして、【ガイジン】という言葉が嫌われている上に正式に「この国の国籍を持っていない人」を指して言う語の【外国人】があるにもかかわらず、投げ遣りに「ガイジン」を使用し続ければ、いつまで、どこまで、「侮蔑的な意図はないよ」と本気で言えますか。

【ジャップ】に対しては、「侮蔑する意味以外では使われません」と主張しています。しかし、なぜ【ジャップ】は蔑称であるかというと、言っている人の意図や気持ちを問わず、実は誰でも【ジャップ】と呼ばれたくないからではないでしょうか。然もなければ、私が勝手に【ジャップ】を使って、「侮蔑的な意図はなかったよ」と言い訳にすれば、貴社はそれによって【ジャップ】を蔑称として認められなくなりますよ。なぜならば、貴社は【ガイジン】を外国人や欧米人の呼び方として全く同様に扱っているからです。【ジャップ】と同様に、誰でも【ガイジン】と呼ばれたくないにもかかわらず、この「侮蔑的な意図はないよ」という言い訳を認めているからです。それはあまりにも矛盾なのではないでしょうか。

さて、片仮名の表記の件にお戻りします。貴社が元々主張したのは、簡単に言うと、外国人や欧米人に対して言ったら、【外人】には侮蔑的なニュアンスがあるかどうかは言葉が漢字の表記の「外人」のままなのか、それとも片仮名の表記の「ガイジン」なのかによるものだとのことでした。しかし、上記のように、漢字か片仮名かを問わずに、【外人】の本来からの意味が違いますし、誰でも「ガイジン」と呼ばれたくありませんし、正しい言葉の【外国人】や【欧米人】がありますので、【外国人】や【欧米人】を指すのに【外人(ガイジン)】を使用すれば、侮蔑的な使い方です。差別用語です。

貴社は名高く、広く信頼されている出版社です。小学館という会社名だからこそ、特に子供に対する面も重んじられています。全ての日本語話者に正しい言葉の使い方を伝えましょう。どうか、「デジタル大辞泉」の【外人】の事項をご更新下さいませんか。長々しいメールでご恐縮ではございますが、ご一考頂きますようお願い申し上げます。

ご返答をお待ち申し上げております。


読者の皆様は多分、もう御存知だと思われますが、和人の中では、「ガイジン」と言う言葉の使用に対して、小学館の人が出した、この「そんな意図はなかったよ」という言い訳がとてもよく聞こえるものですね。面白い事に、子供達に、「ある言葉が善いかどうかは、誰の決める事ですか。言っている人のか、又は言われた人のか?」と俺は実際に聞いた事があります。勿論、子供達は直ぐに「言われた人の」と答えられます。和人はなんで成長するに連れて、それを理解出来なくなるのでしょうか。それで、明くる日の22日にて小学館からの返事が届きました。

(僕) 様

小学館カスタマーサポートでございます。
お問合せありがとうございます。

ご連絡いただきました内容に関しまして
再度担当部署に確認を取りましたところ、
下記の回答をお預かりしました。

===================
【ジャップ(Jap)】は、侮蔑して日本人を言い表す言葉です。侮蔑的な意味を含まずに
日本人をいうことはありません。

また、『大辞泉』には、
【シアオリーベン(小日本)】《中国語》日本人に対する蔑称。
が掲載されています。
このように、はっきりと「蔑称」といえるものであれば、解説中でそう説明します。

一方、【外人】は、大辞泉にある「外国人。特に、欧米人をいう。」という意味が
一般的です。この意味には、侮蔑的なニュアンスはありません。

しかし、【ガイジン】のように、カタカナで表記された場合には、その文章の記述者が
何らかの意図をもってカタカナを使ったと考えられます。その意図が
「軽蔑する気持ち」という場合もあるでしょう。

ただ、どういうニュアンスと捉えるかは受け手や文脈によって違います。
この点が曖昧であるため、国語辞典で「侮蔑表現」と決めつけた解説することはできません。

また、日本語の中には、【ガイジン】と同様の例は他にもあります。
例えば、【先生】【社長】。
【センセイ】【センセ】【シャチョー】とカタカナで書いて、相手を小馬鹿にする
使い方があります。

ただ、書き手が本当に「小馬鹿にして」使ったのかどうかはわかりません。
『センセ、大好き』なら、「愛おしい気持ちで」使ったということになります。

カタカナ表記からは、何らかの意図があって使ったということはわかりますが、
その意図は前後の文脈を見ないと読み取ることができません。

大辞泉では、このような曖昧な意味・用法を記述することはありません。

『大辞泉』の【外人】にある
2 仲間以外の人。他人。「-もなき所に兵具をととのへ」〈平家・一〉

これは古語の意味・用法です。
現代語の「外人」の意味用法は、
1 外国人。特に、欧米人をいう。
であって、「仲間以外の人。」という意味はありません。

前述したように、【外人】に侮蔑的な意味・用法は、筆者の意図や、前後の文脈に
よって醸し出されるものです。
「外人」という言葉が差別語であるためではありません。

大辞泉編集部としては、先に申し上げたとおり、「外人」という
語字体が「ジャップ」のような差別語だとは考えておりません。

しかしながら、ご指摘を真摯に受け止め、編集委員とも協議した
結果、【外人】の末尾に注記を加筆することといたしました。

がい‐じん【外人】
 1 外国人。特に欧米人をいう。
 2 仲間以外の人。他人。「-もなき所に兵具をととのへ」<平家・一一>
 [補説]1には、よそ者というニュアンスがあるため、使う相手・状況には注意
が必要な言葉。
===================

以上でございます。
上記ご参照いただき、
ご了解賜りますようお願い申し上げます。

この度は、お問合せいただきありがとうございました。
今後とも弊社刊行物をどうぞよろしくお願いいたします。

*******************************
    小学館カスタマーサポート担当
E-mail : info@shogakukan.co.jp
営業時間:平日9時30分~17時30分
     (12時~13時除く)
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答えには、小学館は自分の元々の返事の内容を殆ど繰り返しましたね。そうして、結論として、「『外人』という語字体が『ジャップ』のような差別語だとは考えておりません」を主張しました。即ち、俺の論点と一切取り組まず、単純に「そんなことないよ」と否定したのですね。丁度逆ですね、大人である筈なのに、子供さえ理解出来る事を、子供の様に単純に否定するなんて。

そうして、この遣り取りの中で、一つの事が特に気になりました。俺は「ガイジン」の他に、もう「ドジン」や「クロンボウ」と言う差別用語の見出しも上記に載せたでしょう。しかし、小学館は自ら、差別用語の例を挙げようとすると、俺の聞いた事の無い「シアオリーベン」と言う言葉を上しましたね。それも当然、和人に対する差別用語ですね。どうやら、小学館は和人に対する差別用語以外のものを認めないらしいですね。さすがにね、和人人種差別主義者の世界では、被害者になれるのは和人しかいないでしょう。

さて、結論から言うと、小学館は結局「ガイジン」に注記を追加する事にしてくれたので、俺はこの戦闘を成功として認める事にしています。勿論、差別用語を使っていいかどうかは「使う相手による」ものではありませんが、少なくともこれは善い方角への第一歩だと言えるでしょう。

そうして、実際に更新されたまでは少し時間が掛かりましたが、正に今「ガイジン」の見出しを見ると、[補説]が付いています。それは、この非日本人友情協会の功績の一つだと誇りに思わせて頂きたい事です。それに、これからは皆様にお願いしたいです。自分で小学館に声を上げて、「差別用語をちゃんと差別用語としてラベル付けて下さい」と訴えて下さい。もし声の数が増えたら、ちゃんとした認識を得る事が出来るでしょう。とりあえず、静かにしては居られません。宜しくお願いします!
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管理者のはっくんと申します。所沢市の非日本人友情協会(日本人も大歓迎)の公式ブログです。人種差別、人権、一般生活の記事を投稿しています。宜しくお願い致します。m(_)m